客室が無限にあるホテルを考える(もちろん、現実にはありえないだろうが)。現実にある客室が有限のホテルの場合には、「満室である」ということと「もう1人も泊められない」ということは
同値である。しかし「無限ホテル」ではそうはならない。無限ホテルが「満室である」としよう。この場合でも次のようにして新たな客を泊めることができる。客室数は無限とはいえ 1, 2, 3, … と番号を付けられる。客が1人来たら、1号室にいた客を2号室へ、2号室の客を3号室へ、3号室の客を4号室へ、…、
n 号室の客を
n + 1 号室へ、…と順番に移す。客室は無限にあるのだから誰もあぶれることはない。新たな客は1号室に泊めればよい。新たな客は1人どころか、複数でも、(可算)無限でもよい。例えば、1号室の客を2号室へ、2号室の客を4号室へ、3号室の客を6号室へ、…、
n 号室の客を 2
n 号室へ、…と移せば、1号室、3号室、5号室、…つまり奇数号室は空室になるから、無限の客を新たに泊めることができる。
さらに次のようなこともできる。それぞれに無限の乗客が乗った無限台の車がホテルに乗りつけたとする。この場合、まず奇数号室を上のようにして空け、1台目の乗客を 3
n(
n = 1, 2, 3, …)号室に、2台目の乗客を 5
n(
n = 1, 2, 3, …)号室に、…というふうに入れる。
i 台目の乗客は
pn(ここで
p は
i + 1 番目の
素数)に入れればよい。