室町時代、
守護大名の間では自らの家臣に対して、武官や国守の官名を私称することを許す慣行が生まれた。これを
受領名という。また、その受領名を名乗ることを許すために主君から家臣に発給された書状が官途状といった。官途状は領土の加増などと並ぶ、
恩賞のひとつとしての役割を果たした。そもそも、律令制の観点からいえば、これは
朝廷の預かり知らぬものであり、守護大名とその家臣の間での私称に過ぎず、本来ならば不当ともいえる慣行であった。しかし、室町時代はとかく守護の力も強く、武士が中心の社会であり、こうした慣行が取り締まられることはなく、
戦国時代を通じて官途状が武功の恩賞として多用された。